Fabrizio Corneli

 

  光と影を自在に操るエキスパート

■ファブリツィオ・コルネーリ紹介

 

コルネーリ氏は、これまで「影を追求することは光を追求することと同じであり、光を知らなければ影を知ることはできない」と、光学を要する作品も数多く輩出してきました。またデビュー当初から、一つの方法に留まることなく、劇的に作品を進化させ、実体のない「光」や「影」の美しさを様々な作品形体で展開、国際アートフェアでも、注目を寄せられてきました。

作品の見かけとは裏腹に、作業は大変複雑です。作品の大小に拘わらず、高所作業を要する設置にいたるまで、「作家の手仕事」を大切にしています。

初めて彼の作品に対峙する観客は、この不思議な作品に魅せられ、そのままコルネーリの作品世界へと自然に引き込まれますが、それに対して束縛感を受けることはないようです。

「影」を「光の副産物」のように扱うのではなく、影=ネガティヴのイメージを、影=ポジティヴに転じさせてしまうので、「不思議」がたくさん詰まった作品になるからです。

子供から大人、アートを普段見慣れない人から、アートが日常的である人まで、国境を越えて作品の魅力に引き込まれ、そして観客同士の対話が自然と生まれます。

コルネーリの作品の原形は、イタリアルネッサンス期に「遠近法」が大成され、当時の芸術家などによって、たとえばレオナルド・ダ・ビンチの「だまし絵」のような「歪曲遠近法」の技術が取り入れられたものでしたが、当時のイタリアン・ルネッサンスの中心地、フィレンツェは、本作家の出身地でもあり、この「歪曲遠近法」(アナモルフォーズ)を現代において独自に発展させてきたのは、ただの偶然ともいえないでしょう。

日本でも、 2000年秋より本作家を紹介して参りましたが、近年の美術には珍しく様々なジャンルの方より高い評価をいただきました。難解だと言われる現代美術が、作品やコンセプトの質を落とすことなく、また不必要に大衆に迎合することなく、ジャンルの垣根を越え、支持されることは、現代美術に携わる者としても、歓迎すべき現象だと理解しています。

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